IAS 2023IAS 2023

2023年08月02日

アジア全体のトランスジェンダー女性がPrEPに求めているもの
What transgender women across Asia want in PrEP

写真
Warittha Tieosapjaroen at IAS 2023. Photo by Beau Newham.

アジアにおいて、PrEP(HIV感染予防のための定期的な薬物療法)が、トランスジェンダー女性に効果的な方法で提供された場合、この集団における利用率を最大87%まで増加させる可能性があることが、IAS 2023で発表された研究で分かった。重要な要素は、PrEPが無料で注射用であり、副作用がなく、仲間主導のコミュニティー診療所を通して6~12ヵ月ごとに利用でき、性感染症の検査が追加のサービスとして診療所で提供されたことなどである。

HIV感染者の15%超がアジア太平洋地域に住んでおり、年間260,000名が新たに診断される。トランスジェンダー女性は特に脆弱であり、HIV感染リスクが一般集団の66倍も高い。したがって、これらの国々では、トランスジェンダー女性に効果があるPrEPを提供するサービスが重要となる。

Melbourne Sexual Health CentreのWarittha Tieosapjaroen氏らは、アジアの11ヵ国で、トランスジェンダー女性がPrEPの利用決定に影響を与えた最も重要な要因を評価する研究を実施した。オンライン調査は、マッチングアプリ、ソーシャルメディアプラットフォーム、その地域のトランスジェンダーコミュニティーのメーリングリスト、ソーシャルメディアインフルエンサーを通して、トランスジェンダー女性1,522名に配布された。

PrEPの利用決定に影響を与えた最も重要な要因は、費用であった(62%)。次いで、PrEPの種類(10%)、場所(8%)、追加サービス(8%)、来院頻度(7%)、副作用(5%)であった。

同じ調査のポスター発表では、アジアでの経口PrEPの採用は、2025年に向けて目指している地域目標よりもはるかに遅れていることが明らかになった。現時点で、目標の400万名のうち、わずか3%にしか到達していない。しかし、この研究は、トランスジェンダー女性のPrEPに対する需要がかなりあり、依然として満たされていないことも明確に示している。PrEPのニーズが満たされていない人の約35%は、PrEPについて聞いたことがあり、服用したいと思っていたが、服用したことはなかった。

関連サイト

本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
記載されている医薬品のご使用にあたっては、必ず各薬剤の製品添付文書をご参照下さい。

This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

当コンテンツは、英国を本拠地とするHIV情報の慈善団体であるNAM Publicationsの著作権に基づいて制作し、許諾を得て掲載しています。 記事原文については、www.aidsmap.comでご覧頂くことができます。なお、その情報の正確性、適用性、完全性については、NAMは一切責任を負いません。