レジメンの切り替えおよび簡素化の管理 MANAGING REGIMEN SWITCH &
SIMPLIFICATION

はじめに

ウイルス量の検査は、HIV治療のモニタリングにおける重要な要素であり、HIV感染患者の治療を行うすべての臨床医は、ウイルス量が検出されることの意味について理解していなければならない。

ウイルス学的失敗(VF)が認められた場合には、ウイルス複製の抑制を継続できるように患者のレジメンを変更してもよい。VF時には、すべての耐性変異を捉えられるよう、失敗した抗レトロウイルス療法を継続している間または治療中止後4週間以内に耐性検査を実施しなければならない。

一次治療に失敗した場合は、ジェノタイプ検査で十分な場合がある。一方、二次治療以降の治療を失敗した場合には、正確な耐性プロファイルを決定するためにフェノタイプ検査が必要となる場合がある。全体像を把握するために、耐性に関する情報は患者の治療歴とともに用いなければならない。一次治療でVFが認められた患者に対しては、レジメン選択の指針となる臨床試験のエビデンスが利用可能である。二次治療以降の患者では、薬剤耐性検査の結果に基づいて、患者のウイルスが感受性を示す可能性のある薬剤を決定しなければならない。

レジメンは、忍容性を向上させるため、あるいはレジメンを使いやすくするために簡素化することが可能な場合がある。通常、クラス内の変更は、ウイルス学的抑制を損なうことなく行うことができる。ウイルス学的抑制が得られている患者に対して新たなレジメンを構築する際の目標は、将来の治療選択肢を脅かすことなくウイルス学的抑制を維持することである。