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2021年11月02日

イングランドのPrEP試験ではトランスジェンダーの参加率が高い
High participation of trans people in English PrEP trial

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Dr Matthew Hibbert presenting to EACS 2021.

IMPACT試験の期間中、イングランドのセクシャルヘルス医療を受けていたトランスジェンダーおよびノンバイナリーの過半数を超えた人々がこの試験に参加したことがわかったと、UK Health Security AgencyのMatthew Hibbert医師は学会で発表した。

IMPACT試験は、PrEPが日常的に使用可能となる以前の2017年10月~2020年7月の間に実施されたイングランドの大規模PrEP実証試験である。参加者24,255名の大多数はシスジェンダーの同性愛者や両性愛の男性で、シスジェンダーの異性愛の男性や女性は少数であった。ロンドンのトランスジェンダーコミュニティーの擁護者やセクシュアルヘルス専門医療クリニックの協調努力により、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの人々が参加した。

その結果、501名のトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人々が参加した(出生時に受けた性別と異なった性別であると、セクシュアルヘルスクリニックで記載されている通院者978名中で)。試験に参加しなかった通院者のうちの多くは、PrEPを推薦するほどHIV感染が高リスクであるとは考えられなかった。しかし、PrEPの適応であった75名に試験への参加は提案されなかった。

PrEPを服用するかどうかの最も強い予測因子は、性感染症があるかどうかであった(過去3ヵ月に新規に細菌性性感染症と診断された人の84%が研究に参加した)。しかし、25歳以下もしくは黒人のトランスジェンダーの人たちは研究に参加する割合が低かった。

ロンドンに住む人たちはPrEPを受ける割合は2倍以上であり、専門医療の重要性を示している。なぜなら、この専門医療の場がトランスジェンダーの人たちが安全で自分たちの要求が理解されると感じる場所だからである。

それにもかかわらず、イングランドの成人トランスジェンダーおよびノンバイナリー集団の全体数は約70,000名と推定されており、多くのトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人々にセクシュアルヘルス医療の範囲が及んでいないことを示している。

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