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2021年11月02日

CD4数が少ない人はCOVID-19ワクチンに対する反応が弱い
People with low CD4 counts have weaker response to COVID-19 vaccines

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Dr Andrea Antinori presenting to EACS 2021.

CD4数が200未満の人は、免疫機能がそれよりも良い人と比べて、Pfizer社やModerna社のmRNA COVID-19ワクチンに対して強い抗体反応や細胞性免疫反応を起こす可能性が有意に低かったと、Italian National Institute for Infectious DiseasesのAndrea Antinori医師がLondonでのEACS 2021で報告した。

HIV感染者のCOVID-19ワクチンに対する反応についての研究の大部分は、CD4数が十分にあった人で実施されている。

研究者らは、ワクチン接種後の抗体反応および細胞性免疫反応を、重度の免疫不全(現在のCD4数が200未満)のHIV感染者32名、中等度の免疫不全(CD4数が200~500)のHIV感染者56名、免疫不全のない(CD4数が500を超える)78名で比較した。全参加者が抗レトロウイルス療法を受けていたが、CD4数が200未満の人の31%はウイルス量が抑制されていなかった。

この研究では、3つの時点で、受容体結合ドメインIgG抗体濃度と中和抗体濃度を測定することで、抗体反応を評価した。すべての測定で、CD4数が200未満の人は、抗体または中和の測定値が、CD4数が500を超える人で観察されたものの約3分の1であった。インターフェロンγ遊離試験で測定した細胞性免疫反応も、年齢、CD4数の最低値、接種したワクチンの種類、検出可能なウイルス量、悪性腫瘍の存在または既往歴等の交絡因子について調整後、統計的有意差を示した。

ワクチン2回接種後の抗体の数値が低いことは、CD4数が200未満の人では3回目の接種の必要性が大きいことを示している。このグループに対する3回目の接種の影響を、達成される抗体反応の程度と、3回目の接種後抗体濃度が低下する速度の両方について明らかにするにはさらに研究が必要である。

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