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2022年11月02日

ポーランドにいるHIV感染したウクライナ難民は予想よりも少ない
Fewer Ukrainian refugees with HIV in Poland than expected

写真
Dr Miłosz Parczewski presenting at HIV Glasgow 2022. Image by Alan Donaldson Photography.

ポーランドに流入したウクライナ難民のHIV感染者数により、同国でHIV治療を受ける人数が16%増加したとPolish AIDS Societyの会長であるMiwosz Parczewski博士は述べた。これは予想よりも少ない。ウクライナのHIV感染者数は、隣国であるポーランドの約10倍である。ポーランドは、この侵略から逃れた難民の主要な受け入れ国である。

これにはいくつかの理由が考えられる。ポーランドに滞在する予定がなく難民として認定されている他国に向かう途中の難民や、治療を中断している難民、まだデータが提供されていないポーランド東部の周辺病院で治療を受けている難民がいる可能性がある。

ウクライナ難民のHIV感染者の背景やニーズの違いにより、ポーランドのサービスにも新たな需要が生じている。例えば、ポーランドのHIV感染者の80%は男性間性交渉者である。一方、ウクライナのHIVの流行は注射薬物使用者から広がり、現在は異性間感染が主流である。ポーランドでHIV治療を受ける垂直感染児数は数ヵ月でほぼ倍増した。

医師が対処しなければならなかった問題の1つに、ウクライナのHIV感染者の多くが服用している配合錠がポーランドでは入手できず、そのため多くの患者が治療を切り替える必要があったことが挙げられる。別の懸念として、多くのウクライナ人感染者が他の欧州諸国ではほとんど見られないA6と呼ばれるHIVサブタイプを有していることがある。このサブタイプでは、HIV治療薬、特にインテグラーゼ阻害剤に対する耐性がより高頻度に発現する可能性があるかどうかについては分かっていない。しかしながら、今のところ、このニュースは比較的よいものである。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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