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2022年11月02日

Islatravirが引き起こす免疫細胞の減少は用量依存的で可逆的である
Immune cell declines caused by islatravir are dose-related and reversible

写真
Todd Correll presenting at HIV Glasgow 2022. Image by Alan Donaldson Photography.

先週開催されたHIV Glasgowにおいて、製薬会社MSD(米国ではMerck社)は、新規抗HIV薬islatravirの予想外の副作用に関する初めての詳細データを発表した。

Islatravirは、核酸系(ヌクレオシド)逆転写酵素阻害剤(NRTTI)と呼ばれる新しいクラスの薬剤である。耐性株にも活性を示し、かつ体内での半減期が非常に長いことから、月1回の経口投与、ならびに6ヵ月に1回または年1回の注射または埋め込みによる投与が可能であると期待されていた。

しかし、昨年11月、islatravirによりすべてのリンパ球(白血球)、抗体を産生するB細胞、NK細胞、細胞性免疫を制御しHIVに破壊されるT細胞(CD8とCD4の両方)を含むさまざまな免疫系細胞が減少することが明らかとなり、臨床開発が中断された。

Merck社のTodd Correll氏は、用量設定第II相試験(0.25 mg、0.75 mgおよび2.25 mgの1日1回投与)とislatravirを投与していない対照群から得られたデータに注目した。全例がドラビリンおよびラミブジンとの併用投与を受けていた。

この試験により、リンパ球抑制が用量によってどのように変化するかをより詳細に調べることができる。例えば、72週の時点で、islatravir最低用量群では総リンパ球数がベースラインから20.5%増加し、テノホビル群では16%増加した。しかし、islatravir 0.75 mg群では-0.4%とわずかに減少し、2.25 mg群では-16%と大幅に減少した。

2つのislatravir投与群では用量を変更したため、用量の高い群で認められた作用が可逆的であったかについての結果も示されている。総括すると、islatravirを2.25 mgから0.75 mgに変更した場合、患者の総リンパ球数、CD4数、B細胞数は増加し、islatravirを0.25 mgから0.75 mgに変更した場合は減少し、0.75 mgを維持した場合はほぼ横ばいとなった。

MSDは、最低有効用量0.25 mgではリンパ球数の有意な減少は生じないと述べている。したがって、この用量を用いてislatravirとドラビリンを1日1回投与する試験を進めている。

しかし、より高用量の投与や月1回投与さらには年1回投与を可能にする、そしてHIV予防に革命を起こすようなislatravirの新規製剤が開発されることは、現時点ではないと考えられる。

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