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2023年02月24日

Dapivirineリングは妊娠後期および授乳中に安全
Dapivirine ring safe in third trimester of pregnancy and during breastfeeding

写真
Dr Katherine Bunge at CROI 2023. Photo by Roger Pebody.

今週、CROI 2023で発表された新たな試験によると、女性は妊娠後期と授乳中に、HIV PrEPのためにdapivirine膣リングを安全に使用することが可能である。この研究はまた、毎日経口投与するPrEPの妊娠中における安全性を再確認する最新研究でもある。

Ring StudyおよびASPIRE第Ⅲ相試験 からのデータは、もともと、リングはHIV感染リスクを約30%減少させたことを示した。その後の解析で、リングを正しく一貫して使用した女性では、毎月リングを使用したことで、リスクが最大で75%減少したことが分かった。

これらの試験中に妊娠した女性が、副作用の可能性を避けるために、すぐにリングを外したというデータもある。このデータは限定的ではあるが、膣リング使用中に妊娠しても、妊娠や出産の合併症のリスクの増加は見出されなかった。

今回、妊娠後期および授乳中における膣リングの世界初の試験により、dapivirine膣リングは、妊娠後期や授乳中の女性が安全に使用できること、乳児に対する安全性の懸念がないことが確認されている。

DELIVER試験では、ウガンダ、マラウィ、ジンバブエ、南アフリカの18~40歳の妊婦が参加した。参加者は、膣リング群、または毎日の経口PrEP 投与群 に無作為に割り付けられた。

試験では3段階の手法を使い、最初に、妊娠が進行していることで薬物関連の合併症を経験するリスクが最も低い女性、すなわち妊娠36週の女性150例を登録した。独立した審査委員会がこのグループは安全性の懸念がないと判定後、妊娠30~35週の参加者157例からなるもう1つのコホートが試験を開始し、その後、妊娠12~29週の250例が試験を開始し、リングと毎日の経口PrEP両方とも安全であることが確認された。

B-PROTECTEDと呼ばれる付随試験では、血中および母乳中の薬剤濃度を調べ、女性がシリコンリングや経口PrEPを使用している間、安全に授乳できることも分かった。

南アフリカ、ウガンダ、ジンバブエの規制機関は、このリングに許可を与えている。これらの国や他のアフリカ諸国は、経口や注射によるPrEPとともに、リングを実施研究で試験することを計画している。研究者らは、これらの結果によって、膣リングの発売開始に妊婦や授乳中の女性を含めることに対して、規制当局や政策立案者が自信を持てるようになるはずだと述べている。

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