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2023年03月02日

Lenacapavir+広域中和抗体の併用は年2回の治療選択肢となる可能性
Lenacapavir plus broadly neutralising antibodies may offer twice-yearly treatment option

写真
Professor Joseph Eron at CROI 2023. Photo by Andy Carstens.

CROI 2023で発表された小規模試験によると、6ヵ月ごとに投与可能な新しい抗レトロウイルス薬であるlenacapavir(Sunlenca)は、2種類の広域中和抗体(bnAb)と併用して、完全な年2回のレジメンを構築できる可能性がある

University of North Carolina at Chapel HillのJoseph Eron教授は、lenacapavirの注射+bnAbであるteropavimabおよびzinlirvimabの投与を受けた試験参加者の90%が、それまでの抗レトロウイルス療法(ART)を中止してから6ヵ月後時点で、ウイルス量が検出不能のレベルに維持されていたと報告した。

LenacapavirはHIVカプシド阻害薬で、他のHIV治療薬とは作用が異なることから、他のクラスの抗レトロウイルス薬に耐性を獲得したウイルスに対して活性を維持する。2022年、米国とヨーロッパで、治療経験がある多剤耐性HIV感染患者に対して承認された。半減期が長いことは、年に2回投与するだけでよいことを意味するが、現時点で、これほど長い間隔で投与できる抗レトロウイルス薬は他にない。

Eron氏らは、6ヵ月ごとに投与のlenacapavirと2種類のbnAbのレジメンを評価した。試験には、ARTを受けていて、少なくとも18ヵ月間ウイルスが抑制されていたHIV感染者21例が登録された。彼らは、HIVが両方の抗体に感受性があることを確認する検査を受けた(参加予定者の半数は、耐性のために不適格となった)。

参加者は、負荷量のlenacapavir経口投与を2回、lenacapavir皮下注射を2回、teropavimab(30mg/kg)静脈内注射を1回受けた。さらに、zinlirvimab 10 mg/kg投与群または30 mg/kg投与群に無作為に割り付けられた。

26週時点で、lenacapavir、teropavimab、zinlirvimab(いずれの用量でも)の濃度は、治療レベルを十分に上回り、両群とも参加者の90%がウイルス抑制を維持していた。高用量群では1例が、錠剤の方が好ましいと判断し試験を中止した。低用量群の1例では、ウイルスのリバウンドを経験し、ベースラインでのレジメンを再開した。CD4数は両群とも安定していた。治療は安全で、忍容性は概ね良好であった。

このレジメンを年2回の複数回投与で長期間継続した場合、ウイルス抑制が維持できるかどうかを確認するための第Ⅱ相臨床試験を、今年開始する予定である。

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本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
記載されている医薬品のご使用にあたっては、必ず各薬剤の製品添付文書をご参照下さい。

This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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