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2022年02月21日

妊娠中のエファビレンツはドルテグラビルより乳児の成長が劣る
Poorer infant growth with efavirenz than with dolutegravir in pregnancy

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Dr Lynda Stranix-Chibanda (bottom right) at CROI 2022.

CROI 2022で発表された無作為化臨床試験データは、妊娠中のドルテグラビルがエファビレンツより優れている点をもう1つ明らかにしている―子供が1歳時の測定で、体重が異常に軽い例や身長が異常に低い例が少ないことである。

HIV罹患率が高い国では、相当数の子供がHIV陽性の母親から生まれるが、HIV陰性のままの子供がかなりいる。いくつかの研究が、これらの子供たちは成長が悪くその他の健康上の問題を報告している。HIVへの曝露、抗レトロウイルス薬への曝露、困難な社会的状況の影響を切り離すことは難しい。

この試験は、ボツワナ、ブラジル、インド、南アフリカ、タンザニア、タイ、ウガンダ、米国、ジンバブエの妊娠中や授乳中の女性に対するHIVの3種類の治療レジメンの安全性と有効性を比較するために計画された。

参加者643名が次のいずれかの投与を受ける群に無作為化された:ドルテグラビル(DTG)・テノホビルアラフェナミド(TAF)・エムトリシタビン(FTC)、DTG・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)・FTC、エファビレンツ・TDF・FTC。

年齢に対する身長が、世界保健機構の設定した中央値より2標準偏差以上低い乳児を「成長不良」と定義した。すべての試験群で相当数の乳児が成長不良だったことは、HIV感染女性から生まれた子供に、また多くの低中所得国のより広範囲の集団に広く行き渡った問題であることを明確に示している。しかし、成長阻害は、エファビレンツ服用の母親の乳児の方が(21%)、ドルテグラビル服用の母親の乳児より多くみられ、ドルテグラビルをTDFとともに服用した母親と、TAFとともに服用した母親の間に差はほとんどなかった(14%と13%)。

同様に、50週目のエファビレンツ群の11%が低体重であったのに対して、2つのドルテグラビル群では3%と6%であった。

乳児の成長は、妊娠中や授乳中の母親の最適なARTレジメンを選択する際に考慮すべきもう1つの因子であると研究者らは述べた。

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