フランスで検出限界値未満のHIVに感染している妊婦5,000名超における垂直感染はゼロだった
Zero vertical transmissions from over 5000 pregnant women with undetectable HIV in France

2000年以降に収集したデータより、検出限界値未満のHIVに感染している妊婦の一部のグループでHIV感染率が0％だったことを、フランスのNational French Perinatal Cohort の研究者らがCROI 2022で発表した。

HIV感染者の女性が治療を受けていない場合、妊娠、出産または授乳期間中に、乳児にHIVを感染させる可能性がある。これは「垂直」感染と呼ばれることもある。「検出限界値未満なら他の⼈に感染しない」（U＝U）という声明は、ウイルス量が検出限界値未満の場合は他の人にHIVを感染させないということを意味している。この声明は、垂直感染ではなく、性感染のデータに基づいたものである。ただし、本研究では、医療へのアクセスを妨げられることのない高所得国で何が可能であるかを示している。

研究者らは、2000～2017年のフランス本土において、HIV感染者の母親から生まれた15,959名の乳児のデータを考察した。0％の数字は、5,482名の乳児に関連しており、乳児らの母親は、妊娠時にはすでにHIV治療を受けており、出産時のウイルス量は検出限界値未満（50未満）で、母乳育児をしなかった。また、母親が妊娠前期に検出限界値未満であった乳児2,358名の感染率は0％であった。

このデータにより、母親が治療を受けていない場合は感染が高頻度になること、また、治療開始が早ければ早いほど、感染は極めて少なくなることも確認された。解析期間中、HIV治療を受けている女性の割合は増加し（2000～2005年の68％から2011～2017年の99.2％）、HIVに感染して生まれてくる乳児の割合は低下した（2000～2005年の1.1％から2011～2017年の0.2％）。

関連サイト

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