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2022年02月18日

COVID-19は、HIV感染女性において有害なbirth outcomeのリスクを上昇させる
COVID-19 raises risk of adverse birth outcomes in women with HIV

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Maya Jackson-Gibson at CROI 2022.

出産時期にCOVID-19陽性となったHIV感染のある女性は、HIV感染のあるその他の女性よりも有害なbirth outcome を経験する可能性が有意に高かったことが、CROI 2022で発表された研究で分かった。

COVID-19とHIVはどちらも有害なbirth outcomeのリスク増加と関連していたが、出産可能年齢の女性のHIV罹患率が高い状況で、それらを組み合わせた影響についての情報は限られている。これは、HIV罹患率が高く、COVIDワクチン接種の機会が依然として限られているサハラ以南のアフリカの女性には特に重要である。

Northwestern UniversityのMaya Jackson-Gibson氏らは、ボツワナですでに使われているbirth outcome監視システムのデータを解析し、2020年9月~2021年11月までの13ヵ所におけるbirth outcomeを調べた。

HIVの状態が分かり、乳児を1名出産し、分娩の14日前から3日後までにCOVID-19の検査を受けていた女性が研究に組み入れられた。研究期間中、11,483名の女性がCOVID-19の検査を受け、539名が陽性で(4.7%)、このうち144名がHIVに感染していた。

有害なbirth outcomeの起こる頻度は、検査でCOVID-19陽性だったすべての女性の方が(31%)、陽性でなかったすべての女性より(26%)高かった。有害なbirth outcomeの頻度は、検査でCOVID-19陽性となったHIV感染の女性は(43%)、COVID-19でないHIV陽性の女性より(30%)かなり高かった。

年齢について調整後、HIV感染とCOVID-19のある女性は、有害なbirth outcomeのリスクが78%高く、重度のbirth outcomeのリスクが65%高く、早産または超早産のリスクが2倍で、乳児が在胎不当過小となるリスクが65%高かった。COVID-19の有無は、死産や新生児死亡のリスクには影響しなかった。

COVIDワクチン接種はボツワナでは2021年の後半に始まり、65歳以上が優先された。この研究に参加した女性のごく少数しかワクチンを接種していなかった。

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