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2022年02月24日

Imbokodo試験において、なぜHIVワクチンは失敗したのか?
Why did an HIV vaccine fail in the Imbokodo trial?

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Dr Glenda Gray (bottom right) at CROI 2022.

アフリカ南部の大規模試験における実験的なワクチンレジメンは、若年女性のHIV感染を防げず、HIVワクチンの長い失敗の連続に拍車をかけた。

2017年に開始されたImbokodo第IIb相試験(HVTN 705)は、マラウイ、モザンビーク、南アフリカ、ザンビアおよびジンバブエでHIV感染リスクが高い18~35歳の若年女性を対象に2,600名超を募集した。試験参加者は、1年間に4回Ad26.Mos4.HIVワクチンまたはプラセボの注射を接種する群に無作為に割り付けられた。このワクチンはアデノウイルスタイプ26の感冒ウイルスベクターを使用して、コンピューターでデザインした複数のHIV株の抗原の「モザイク」を送達する。3回目と4回目の来院時に、ワクチン接種群の参加者は追加免疫接種も受ける。

以前報告されたとおり、本試験は、主要解析でワクチン有効性が25.2%であることが示された後、2021年8月に予定より早く中止された。公衆衛生の専門家によると、パンデミックを抑制するには、ワクチンの有効性が少なくとも50%に達する必要があるとのことである。

CROI 2022での追加データ発表時、South African Medical Research CouncilのGlenda Gray博士は、本ワクチンはどの年齢層でもHIV感染を有意に低下させなかったと述べた。ただし、高齢女性においてはわずかに高い効果が認められた。

Mosaico並行試験は現在も進行中である。この試験では、北米、南米、欧州において約4,000名の同性愛・両性愛男性およびトランスジェンダー女性を対象に、同じプライマーのワクチンを異なる追加免疫で研究している。

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