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2021年11月01日

多剤耐性HIVの割合が低下している
Falling rates of multi-drug resistant HIV

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Dr Barbara Rosetti of the University of Sienna presenting to EACS 2021.

HIV感染者の間で抗レトロウイルス薬の4つの主要なクラスすべてに耐性があることがさらにまれになってきていることを、ベルギー、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、ポルトガル、スペイン、スウェーデンからのデータは示している。

注目すべきは、この解析には、特に耐性検査を必要とした人ではなく、抗レトロウイルス療法を受けていた人の幅広いコホートについてのデータが組み入れられていることである。解析は1996~2019年の約40,000人を対象とした。

この期間に、治療を受けていた人の6.9%が3つのクラスに対する耐性を獲得した。3クラス耐性の存在率は2005年がピークで、治療を受けていた全員の10%が3クラス耐性であった。3クラス耐性の発生率(各年の新たな症例の割合)のピークは2005年の2.7%で、2010年以降では毎年1%未満に止まっていた。

4クラス耐性はまれであった。これは、2008年に導入された抗レトロウイルス薬のさらに新しいクラスであるインテグラーゼ阻害薬に対して耐性となるには高い障壁があることを示している。治療を受けていた人の合計1.8%が、4クラス耐性を獲得した。存在率と発生率は、すべての年で1%未満に止まっていた。

この結果は、新たな抗レトロウイルス薬と薬剤クラスの開発は、多剤耐性HIV治療のための薬剤の必要性ではなく、長時間作用型薬剤の開発または毒性の低下によって正当化されることを示唆している。

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