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2021年11月08日

診療所には注射薬によるHIV治療のための新たなシステムが必要
Clinics will need new systems to administer injectable HIV therapies

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Dr Jonathan Angel presenting to EACS 2021.

カナダのUniversity Hospital of OttawaのJonathan Angel医師は、先週、EACS 2021で、新しい注射用の抗レトロウイルス薬カボテグラビルとリルピビリンを処方した実際の経験について述べた。臨床試験の一環でそれらを投与した5年間の経験に加え、彼は通常の治療でそれらを提供した最初の医師の1人である。

カナダは、長時間作用型抗レトロウイルス薬による治療を認可した最初の国である。北米では、Cabenuvaという商標名で販売されている。ヨーロッパでは、この2つの製剤にはVocabriaRekambysという別々の商標名がある。

Angel氏は、かなりの数の患者に毎月または隔月に注射をするのは、忙しい外来部門にとって特に負担となるだろうと述べた。カナダでの提供は、製薬会社が資金を提供しているCabenuva Supportsと呼ばれるプログラムの存在によって促進され、Cabenuva Supportsが実際に注射する。注射は、看護師が外来以外、プライマリーケアの診療所、薬局、患者の自宅で行った。

Angel氏は、どの患者が注射薬療法への切り替えに真剣に関心を示すかを予測するのは不可能であることが分かったと述べた。単純に注射を好むことを除けば、理由は非常に個人的なもので、複数のことが多い。「注射薬療法について知らされたとき、患者は自分自身で選択するだろう」と彼は述べた。

患者の大部分は、カボテグラビルとリルピビリンの錠剤による4週間の経口の「導入」を選択したが、それが必要ではない可能性を示唆するデータもあり、少数の患者は経口の導入を行わないことを選択した。注射を中止し経口療法に戻ることに決めた患者がわずかにいた。これは、主に「注射疲れ」―注射の予約が面倒であることや副作用―によるものであった。

注射薬の可能な使用法で興味深いものの1つは、経口薬が面倒である、または望まないのにHIVの状態を明かすことに対する懸念を引き起こす可能性がある、例えば、旅行をするときなどの期間に、一時的な抗レトロウイルス療法として使用することである。「我々は、これらの技術を使い始めたばかりである」と、Angel氏はコメントした。「そして、より多くの患者が使用するにつれて、他の臨床的な問題や実際的な問題に遭遇するだろう。これらの技術は、患者も注射を休む可能性があるため、継続的なアドヒアランス不良を必ずしも解決できるとは限らない。 しかし、多くの患者が望むことは疑いない」

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