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2022年08月04日

妊娠中の曝露前感染予防(PrEP)は安全であることが新たなデータにより示唆された
New data suggest PrEP in pregnancy is safe

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Laurén Gómez at AIDS 2022. Photo by Rosalie Hayes.

AIDS 2022で発表された予備解析によると、妊娠中のPrEP使用に関する新規データから、PrEPは小児の長期的な発達に有害ではないことが示唆された。

妊娠中のPrEPに関するこれまでの研究では、生後12ヵ月までの乳児のアウトカムのみを評価している。今回の研究では、母親が妊娠中にPrEPを使用した2~3歳の幼児の成長と神経発達のアウトカムを検討しており、母親がPrEPを使用しなかった幼児と比較して、それらの幼児に差は認められなかった。

本研究は、現在でもケニア西部で母子ペアの登録が継続しており、子どもの5歳の誕生日まで追跡調査する予定である。研究看護師は、6ヵ月ごとに子どもの成長と神経発達を評価している。

この解析の時点で、母子664組のデータが得られた。コホートの登録時の母と子の年齢の中央値は、それぞれ28歳と26ヵ月であった。17%の母親(119例)が妊娠中にPrEPを開始していた。

この研究では、妊娠中にPrEP曝露を受けた幼児に発育阻害、消耗、低体重が認められる可能性は、曝露を受けなかった幼児と変わらないことが明らかになった。幼児の身長と体重は、生後24、30、36ヵ月の時点で同じであった。妊娠中にPrEP曝露を受けた幼児と受けなかった幼児の神経発達も同じであった。

したがって、これらの予備的な結果は、妊娠中にPrEPを使用しても安全であることを示した先行研究を支持する。

世界保健機関は、HIV感染リスクがある妊婦および授乳婦にはテノホビル・ジソプキシルフマル酸塩(TDF)を含むPrEPの連日投与の提供を推奨している。この推奨は、HIVに感染して妊娠中にTDFを使用した多くの女性から得られたデータによって裏付けられている。データではTDFは母子のいずれにも安全であることが示されている。

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