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2022年08月10日

ウクライナ難民への早期対応によりHIVケアの継続は可能になったが、より長期的な問題に対処しなければならない
Early response to Ukrainian refugees enabled continuity of HIV care, but longer-term issues must be addressed

写真
Dr Justyna Kowalska at AIDS 2022. Photo©Jordi Ruiz Cirera/IAS

AIDS 2022で発表された研究によると、ウクライナ難民を受け入れている国々は、ロシアによるウクライナへの侵攻から逃れてきた人々に対し、HIV治療を含む医療を無料で提供するために迅速に行動した。しかし、難民は心的外傷、帰国や愛する人との再会の見通しが立たない状態に直面することから、精神衛生上の危機が差し迫っていることへの懸念が高まっている。

2022年3月に、HIVおよび感染症の専門家を対象に実施されたオンライン調査は、難民のHIVケアの継続と、特に中央および東ヨーロッパにおける国のHIVプログラムに対する戦争の影響を理解することが目的であった。

調査では、ウクライナ難民を受け入れている国では、国民皆保険(回答者の73%)、HIVの治療を受けるために事務手続き上必要なことの大部分を免除(73%)、医師による即日診察(55%)と抗レトロウイルス療法の提供(86%)など、HIVの継続したケア提供のために迅速な対策を実施していたことが分かった。

全体として、このデータはウクライナ難民のケアに対する障壁を取り除くことが、HIV治療の継続に対して実際に影響を与えていたことを示している―これは、紛争やその他の生命に対する危険から逃れてきたすべての人々の健康を支援するための青写真を提示している。

患者が経験した心理的外傷を、HIVケアを受けさせる際の障壁として特定したのは、少数の回答者(18%)のみであった。しかし、ロシアのウクライナ侵攻の影響に関するメディアの円卓会議では、精神衛生の悪化が国内外のウクライナ人にとって、重要かつ深刻化している問題として強調された。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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