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2022年08月02日

HIV検査と治療によりコミュニティにおける結核発生率が低下する
HIV test-and-treat reduces TB incidence in the community

写真
Dr Carina Marquez at AIDS 2022. Photo: Roger Pebody.

AIDS 2022での研究者らの報告によると、ウガンダではHIV検査と治療を強化するために大規模キャンペーンが実施され、介入コミュニティにおける結核の発生率が1年後に27%減少したことから、HIV関連の投資がより広範な公衆衛生に潜在的影響を及ぼすことが強調された。

SEARCH試験は、普遍的なHIV検査・治療を行う最大規模の実装研究の1つである。本試験では、各国のガイドラインに従って介入を受ける群と標準治療を受ける群にコミュニティを無作為に割り付けた。試験は2013~2016年に、ウガンダとケニアの農村部で実施された。

介入は、各コミュニティでの2週間の健康フェアと家庭内検査により、HIV、糖尿病、高血圧の検査を含む複数疾患の予防キャンペーン、検査陽性者のケアとの連携、HIV陽性者に対してCD4数に関わらず即時実施する抗レトロウイルス療法で構成された。

これまでの試験結果では、HIV検査ウイルス抑制の割合が非常に高いなど、肯定的な影響が示されている。

今回の解析では、結核症状のスクリーニングを介入の構成要素としたウガンダの9つのコミュニティにおける結核発生率に焦点を当てた。

研究者らは、ベースライン時に1,435世帯4,884名を検査した。検査対象の大半は18歳未満であった。ベースラインでは22%が陽性(以前に結核に曝露していることを示す)であった。1年後、ベースライン時に陰性であった患者の78%が再検査を受けた。

1年後の結核発生率は、介入群のほうが27%低かった。リスク低下は、5~11歳の小児で統計学的に有意であったが、12歳以上では有意ではなかった。おそらく、思春期児と成人は以前に結核に曝露している可能性が高いためと考えられる。

Carina Marquez博士は、次のように述べた。結核発生率の低下には、症状スクリーニングを介した活動性結核の発見と治療の改善による感染期間の短縮など、いくつかの要因が考えられる。さらに、抗レトロウイルス療法を受けている患者では免疫状態が改善されるため、活動性結核への進行は減少すると考えられる。これにより、コミュニティにおける活動性結核患者数は減少する。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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