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2022年08月02日

多くの国の戦略的HIV計画にはトランスジェンダーの人が含まれていない
Trans people left out of many countries’ strategic HIV plans

写真
The Trans Inclusion in National HIV Policy and Planning session panel at AIDS 2022. Photo by @GATEOrg.

HIVの有病率が高い60ヵ国からなるグローバルサンプルにおいて、HIVに関する国家戦略計画のすべての面でトランスジェンダーを完全に組み入れているのは8%のみであった。AIDS 2022で発表された研究により、これらの国の中には、トランスジェンダーについて全く言及していない国があることも明らかとなった。

トランスジェンダーの女性は、一般成人集団よりもHIVに感染している割合が66倍高く、トランスジェンダーの男性は約7倍高い。

研究者らは、HIVの有病率が最も高い60ヵ国[アフリカ東部と南部(16ヵ国)、アフリカ西部と中部(15ヵ国)、アジア太平洋(13ヵ国)、ラテンアメリカ・カリブ海(9ヵ国)、東ヨーロッパと中央アジア(7ヵ国)]の国家戦略計画を解析した。

各計画の5つのセクション(解説、疫学データ、モニタリングおよび評価の指標とターゲット、HIVケア継続のための活動、および予算)に、トランスジェンダーが含まれているかを解析した。

計画の65%では、少なくとも1つのセクションにおいてトランスジェンダーについての言及があった。しかし、5つの主要なセクションすべてにトランスジェンダーが含まれていたのは8%にすぎなかった。中国、ベトナム、エチオピア、タンザニアでは、トランスジェンダーが全く含まれていなかった。

政府は戦略計画策定の際に、トランスジェンダーのコミュニティと有意義な関わりを持つべきであると著者らは勧告している。Global FundやPEPFARなどの国際的な資金提供者は、トランスジェンダーのコミュニティに対して技術援助や資金提供を行うことができるが、資金を提供する研究にトランスジェンダーを含むよう要求することもできる。

支援者は、自国の戦略計画に何を含めたいのか(例えば、トランスジェンダーのHIV予防のための予算、またはHIV検査活動を行うためのピアナビゲーターの利用など)、また、具体的な説明を含めるために政府職員とどのように関わるのが最善かを決定する必要がある。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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