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2022年08月04日

専門家らがサル痘への対応について議論する中、提唱者らはもっとやるべきことがあると主張している
As experts discuss monkeypox response, advocates say more needs to be done

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Protestors at AIDS 2022 demanding increased access to monkeypox vaccines and treatment. Photo by Liz Highleyman.

今週Montrealで開催されたAIDS 2022において、世界で著名な専門家や公衆衛生当局が、サル痘のアウトブレイクの拡大に対する世界的な対応について議論した。しかし、提唱者らは、世界はこの危機に十分に対処できておらず、主に同性愛および両性愛男性が影響を受けていると述べた。

メディアの討論会において、世界保健機構(WHO)のMeg Doherty博士がこのアウトブレイクの最新情報について発表した。8月2日付の最新の状況報告書によると、WHOが報告を受けた検査により確定したサル痘症例は世界中で23,351例、死亡は8例である。現在、米国での症例報告が最も多く(6,000例以上)、スペイン、ドイツおよび英国がそれに続く。WHOによると、99%は男性で、そのほとんどが同性愛または両性愛男性であることが明らかになっており、性交渉が最も可能性の高い感染経路であると報告している。

MontrealにあるMcGill UniversityのMarina Klein博士は、感染者数が他の多くの国を上回る地域におけるサル痘への対応について述べた。この都市にはワクチン‟Jynneos”が十分に供給されているようであり、すべての男性間性交渉者とセックスワーカーにワクチンを提供している。

科学者やコミュニティが答えることのできない疑問がまだ多く残っている。

このようなあやふやさが、ワクチンの接種手順の違いに現れている。多くの都市や国では、できるだけ早く多くの人を部分的に感染予防するため、最初に1回目の接種が行われているが、1回目の接種でどの程度感染を防げるのか、2回目の接種をいつ行う必要があるのかについて混乱が生じている。

症状は、多くの答えが得られている分野の1つである。これは、現場の医師や患者が自身の話を共有した努力のおかげである。Queen Mary University of LondonのChloe Orkin教授と大規模なチームの共同研究者らは、最近、500例を超えるサル痘症例の解析結果について発表し、このウイルスが流行している国でこれまで報告されていなかった新たな症状があることを明らかにした。

公衆衛生当局者、臨床医、提唱者らのいずれも、世界全体のサル痘ワクチンの供給量が需要に追いついていないのは、特に高所得国が、数に限りがあるワクチンを取り合っているためだということに同意している。西アフリカや中央アフリカの国々は何十年にもわたってサル痘に直面してきたが、ワクチンや治療法を入手できていない。

サル痘に関するシンポジウムにおいて、ナイジェリアのNiger Delta UniversityのDimie Ogonia博士はバーチャルで講演し、欧米でサル痘の症例が確認されて以来、ナイジェリアではサル痘に対する認識が高まり調査が行われるようになったが、「ワクチン配布と治療については、公平性が保証されるべきである」と述べた。

Centers for Disease Control(CDC)のDivision of HIV Preventionの所長であり、米国サル痘対策の副コーディネーターに新たに任命されたDemir Daskalakis博士がシンポジウムで講演の準備をしていたとき、数十人の活動家が突然ステージに上がった。ベテランのエイズ活動家を含むこの抗議者らは、米国および世界各国においてワクチンと治療へのアクセスを増やすよう要求した。

活動家らの要求リストには、世界的なサル痘ワクチンと治療へのアクセスに関するWHOと国際連合の「断固としたリーダーシップ」が含まれており、これには生産の拡大に向けた努力も含まれている。抗議者らは、世界的なサル痘対策において脆弱な集団やコミュニティを優先することを要求し、隔離が必要な人への資金提供と支援を呼びかけた。

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