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2023年10月30日

フランスではPrEPを使用している女性もいるが、トランスジェンダーの女性だけが長期使用傾向にある
Some women in France are using PrEP, but only transgender women tend to stay on it

写真
fizkes/Shutterstock.com

EACS2023で、パリのあるクリニックでPrEP(HIV予防のための定期的な服用薬)を使用している女性の大半はトランスジェンダー(全体の60%)で、南アフリカ出身者(全体の78%)であったとポスター発表があった。他の多くのPrEP研究と同様、トランスジェンダー女性に比べると、シスジェンダー女性はPrEPの使用を数ヵ月以上継続する傾向が低かった。

2017年4月~2023年4月までの間に、175名の女性がPrEPの使用について評価を受け、161名がPrEPを開始した。このうちトランスジェンダー女性が97名、シスジェンダー女性が64名であった。ほとんど(125名)が南アフリカ出身者であり、28名がフランスまたはヨーロッパの他の諸国、8名がサハラ以南のアフリカ諸国の出身であった。

2023年4月までに、90名がPrEPの服用を中止した。多変量解析によると、PrEPを中止する傾向は、トランスジェンダー女性はシスジェンダー女性よりも64%低かった。

PrEPを開始したシスジェンダー女性の半数が、開始から5ヵ月後に服用を中止していた。一方、トランスジェンダー女性の半数はPrEPを中止するまでの期間が20ヵ月であった。

フランスで最も著明なPrEP研究者であるJean-Michel Molina教授は、フランスにおいてHIV感染リスクが高いゲイおよびバイセクシャルの男性で、PrEPの恩恵を受けられるのは約142,000名であると本学会で発表した。現在、42,000名の男性が実際にPrEPを服用している-そのうちの29.5%はPrEPを必要としている。

ただし、この数字はトランスジェンダー女性や薬剤注射をする人々など、他の主要な影響を受ける集団の割合に比べて小さく見える。HIV感染リスクのある他のグループでPrEPを服用しているのは1%にも満たなかったと、Molina教授は述べた。

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