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2023年02月22日

分娩時の治療現場での検査はHIV感染リスクに曝されている乳児に対する早期の予防的治療を改善する
Point-of-care tests at delivery improve early preventive treatment for infants at risk of HIV

写真
Mother and child at Maputo HIV clinic. Image by Talea Miller, PBS NewsHour. Creative Commons licence.

大規模な無作為化試験で、乳児に治療現場でのウイルス量検査を実施し、すぐに抗ウイルス薬による治療を開始することで、HIV感染乳児の出生後最初の6ヵ月間の死亡率が67%減少したと治験責任医師らが CROI 2023で報告した

LIFE試験は、生後約6週間でHIV検査を行う標準的な診療に比べて、出生時の乳児の治療現場でのウイルス量検査の実施が死亡数を減少させ、ウイルス抑制の改善につながるかどうかを調べるために計画された。

試験には、モザンビークとタンザニアの28の医療施設で、乳児6,605例が登録された。試験中に、乳児124例のHIV感染が診断された(参加者の1.9%)。過半数の乳児(51%)が出生時に診断され、生後6週間までに32%、生後12週間までに16%が診断された。

死亡率は対照群の乳児(6週間時点で検査)の方が高かった。対照群の14%が死亡し、中央値は14週間後に対して、介入群(出生時に検査)では5%で、中央値は23週間後であった。

死亡リスクは介入群が67%低かったが、これはかろうじて統計的に有意であった。これより長期の追跡調査では、生後12ヵ月時点でも18ヵ月時点でも有意差は認められなかった。治験責任医師らは、これはロピナビル/リトナビル顆粒による治療の忍容性が不良であった可能性があると述べている。

この試験では、治療現場での検査で分娩時に母親のウイルス量を測定すると、より多くの乳児がHIV感染の「リスクが高い」と判定されたことも示された。母体のウイルス量が1,000を超えることは、乳児を「リスクが高い」とみなす基準の1つである。リスクが高いと判定された乳児は、母親が治療現場でのウイルス量検査を受けた場合、出生後に予防療法が強化される可能性も高くなった。

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本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
記載されている医薬品のご使用にあたっては、必ず各薬剤の製品添付文書をご参照下さい。

This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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