base_conf_namebase_conf_name

2023年02月27日

女性では3ヵ月ごとのPrEP注射が有効の可能性
Quarterly injections of PrEP may be effective for women

写真
Professor Mark Marzinke presenting at CROI 2023. Photo by Roger Pebody.

研究では、女性の体内ではカボテグラビルの薬物濃度が十分に長く維持されることが明らかとなり、これは3ヵ月ごとの注射がHIV感染予防に依然として有効である可能性を意味している。

この知見は、今週米国のSeattleで開催されたCROI 2023で発表された。

Johns Hopkins UniversityのMark Marzinke博士は、PrEP(HIV感染予防のために通常用いる薬剤)のHPTN 084試験に参加した女性のうち、予定どおりに注射を受けずに、予定よりも投与間隔が開いた女性の薬物濃度を解析した。

最初の2回の注射は、薬物濃度を高めるために4週間間隔での投与が予定されていた。その後は8週ごとの投与が予定されていた。投与の遅延は224例認められた。

Marzinke氏は、遅延した次の注射の直前に測定した薬物濃度を以下のように層別化した:IC90(ウイルス複製を90%減少させるのに十分な量)の8倍以上、IC90の4~8倍、IC90の1~4倍、またはIC90未満。

2回目の注射が遅れた女性では、薬物濃度がIC90の8倍以上に維持されていたのは91%、4倍以上に維持されていたのは100%であった。

その後の注射が遅れた女性でも、IC90の4倍を超えたのは、注射が4~6週間遅れた場合は98%、6~8週間遅れた場合は95%、8~10週遅れた場合は90%であった。

これは、大多数の女性で投与が最大6週間まで(最後の投与から最大14週間まで)遅れても、予防可能な薬物濃度が維持されており、有効性の維持のためには12週ごとの投与で十分なことを示唆している。

3ヵ月ごとの投与は、PrEP注射を避妊薬注射と同じスケジュールで実施可能なことを意味している。

Marzinke氏は、男性にはこのようなエビデンスがないことを強調した。参加者の大半が男性であったHPTN 083試験では、注射と注射の間の薬物濃度は低かった。

関連サイト

本記事は日本国外の治療に関するニュースであり、本邦では承認されていない薬剤あるいは本邦とは異なる効能・効果、用法・用量で使用されている成績が含まれていますので、ご注意下さい。
記載されている医薬品のご使用にあたっては、必ず各薬剤の製品添付文書をご参照下さい。

This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

当コンテンツは、英国を本拠地とするHIV情報の慈善団体であるNAM Publicationsの著作権に基づいて制作し、許諾を得て掲載しています。 記事原文については、www.aidsmap.comでご覧頂くことができます。なお、その情報の正確性、適用性、完全性については、NAMは一切責任を負いません。