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2023年07月31日

レナカパビルの経口投与は、本剤の注射剤が使用できない時にその空白期間を埋める
Oral lenacapavir can bridge gaps if injections must be missed

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Professor Jean-Michel Molina at IAS 2023. Photo by Roger Pebody.

IAS 2023で発表された研究によると、レナカパビル(Sunlenca)の注射剤が一時的に使用できない時に本剤の経口剤を服用した人たちは、安全上の問題なくウイルス抑制を維持できた。

レナカパビルは、体内での半減期が長いため、6ヵ月に1回の皮下投与が可能である。本剤には、注射剤開始前に使用する経口剤もあり、注射剤の使用の中断時に一時的な「橋渡し」として使用できる。

2021年12月、米国食品医薬品局(FDA)は、注射剤に使用されているガラス製バイアルの安全性に懸念があることから、レナカパビルの試験を一時的に停止させたが、2022年5月に解除された。

レナカパビルに関するCAPELLAおよびCALIBRATE臨床試験に参加し、上記の停止期間中に注射剤を受ける予定だった被験者は、注射剤の代わりに経口レナカパビルを週1回服用した。これにより、CAPELLA試験では被験者72名中57名、CALIBRATE試験では被験者105名中82名が経口剤を服用した。

経口剤による橋渡し期間中、CALIBRATE試験では全被験者においてウイルス抑制が維持され、経口剤に切り替えた時点でウイルス量が検出限界以下であったCAPELLA試験の被験者の大半においてもウイルス抑制が維持された。切り替え時にウイルス量が検出可能であった11名中3名では経口剤服用中にウイルス抑制が達成され、また、ウイルス量の顕著な上昇はみられなかった。

経口レナカパビルを2回服用し忘れたCAPELLA試験の被験者1名では、ウイルス量のリバウンド(50超)が認められたが、注射剤による治療再開後にウイルス抑制を再度達成した。

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