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2023年07月31日

ソーシャルネットワークの介入により、アフリカの漁師のHIV自己検査が50%増加
Social network intervention increases HIV self-testing among African fishermen by 50%

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Dr Carol Camlin at IAS 2023. Photo by Roger Pebody.

男性間の社会的つながりに基づくアプローチは、HIV検査、予防、治療の利用が難しい集団を関与させる有望な方法である。IAS 2023で発表された研究では、ケニアの漁師の間でHIV検査の受診率が50%増加したことが示された。

アフリカでは、男性は女性よりも自分の HIV 感染状況に気づいていない可能性が高い。この傾向は、漁師など移動の多い男性に特に顕著であり、これらの男性ではHIV 検査の受診率や治療とのつながりが低い傾向にある。

University of California San FranciscoのCarol Camlin博士らは、38,000名の漁師が暮らし、HIV感染率9.5~19%のケニアのSiaya地域で研究を行った。

ビクトリア湖の海辺3ヵ所で密接な社会的つながりを持って働く漁師のグループを「クラスター」と定義した。各クラスター内でつながりの強い男性を「推奨者」として特定した。156のクラスターが対照群または介入群に無作為に割り付けられた。

介入群では、推奨者に訓練を行い、クラスター内で配布するための HIV 自己検査キットを提供した。また、クラスターのメンバーに HIV 治療または PrEP (HIV 感染を予防するための定期的な薬物療法) を受けるよう奨励するために、4ドル相当の旅費も提供された。対照群では、推奨者に HIV 情報と近くの診療所での無料自己検査紹介券を提供し、メンバーに提供できるようにした。

3 ヵ月後の追跡調査には、男性666 名が参加した。その結果、自己検査によるHIV検査の自己申告は、介入群(60%)では非介入群(10%)よりもはるかに高いことが示された。同様に、何らかの手段による HIV 検査の実施率も介入群の方が高かった(47%対27%)。検査後に抗レトロウイルス療法または PrEP 評価に関与した人の割合は、介入群で有意に高かった(70%対17%)。

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